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特定医療法人友愛会 野尻中央病院
宮崎市から車で西へ1時間、山が連なり自然豊かな西諸県郡野尻町に、特定医療法人友愛会野尻中央病院があります。内科系と外科系の診療の他、リハビリテーションも行う療養型の病院です。
野尻中央病院は、平成13年4月、腎・透析センターを対象に、九州の医療機関としては初めて国際標準化機構(ISO)による品質管理規格ISO9002の認証を取得しました。
平成14年11月にはISO9001:2000の移行審査も完了しました。
業種
医療
規格
ISO9002
取得年月日
ISO9002 (2001年取得) ISO9001 (2002年取得)
従業員数
所在
宮崎
HPアドレス
http://www.nojiri-ch.com/
インタビュー内容
Q1.認証取得に期待した事
従来は、各職員の力量の差による医療サービスの差、マニュアルがないことによる医療安全の未確立、患者満足度に対する意識の低さなど、他業種では当然として行っていることが医療の分野では当時未開の地でした。そこで、ISOを取り入れることにより品質管理(医療サービスの質の管理)の重要性を全職員に徹底することで、より地域に密着した、当院の方向性に沿って病院と職員が成長する事を期待しました。
Q2.認証取得して改善された点
全部署のマニュアルを整備した事により、新入職員教育で有効的に利用でき、不適合や事故などの背景を遡及的かつ客観的に評価できるようになりました。
患者様の当院への要望や、業務改善の提案など、建設的な意見を各種報告書へ記載することにより、気軽に表現できるようになりました。
当院の医療方針(品質目標)を実現するために、全部署が目標管理を策定しています。これを確実に実行・達成できるよう、管理責任者・ISO室長は各部署長と毎月面談を行い、工程管理をフレキシブルに対応しています。
患者満足度調査を年1回全部署で一斉に行っています。些細な声を積極的に吸い上げ、集計結果を様々な改善活動の情報源として有効活用しています。これまでは意見箱を設置していましたが、投函される数も少なく、改善活動への資料としては乏しいのが現状でした。
Q3.認証取得後の課題
ISO取得準備から約10年が経過しました。職員が当院のISOに対してごく自然と認識している点は喜ばしいところですが、その反面ISO自体がマンネリ化しているのも事実です。
不適合が生じることにより、新たな書類作成や、業務手順を増やす、ダブル・トリプルチェックにするなどの是正処置をとることがしばしばあります。しかし、これら是正処置により単に不適合が減少するのであればよいのですが、業務を煩雑にしてしまい、逆に新たな不適合が発生がたり、スタッフの多忙に繋がる事も時としてみられます。システム・手順・記録など新たに作成した場合、適時に見直し(レビュー)をし、業務をよりシンプルかつ確実なものに作り上げる(戻す)のが、今後の課題と考えています。
文書管理の煩雑さがみられます。当院には不適合報告書・予防処置報告書・事故報告書など各種報告書があり、全ての職員は、1.所定の用紙に記載、2.コピー・写真をとる、3.回覧、4.是正、5.回覧、6.効果確認、7.回覧など様々な工程で流れています。しかし、職員の多くが夜勤など不規則な勤務体制であり、スムーズな報告書管理が難しいのが現状です。また、数百枚の報告書が常に流れている事をリスクマネジメント委員会が把握するのも困難です。
Q4.御社のご紹介、アピール等をご自由にどうぞ!
より現場に即したISOに取り組んでいます。従来は会議形式の内部品質監査を実施していましたが、これでは書類の記載漏れなど表面上の不適合を発見するのが限界です。そこで、現在ではリスク委員が全部署を業務中に出向き(ラウンド)、内部品質監査を行っています。実際に業務を行っている時に、第3者であるリスク委員がいかに不適合を指摘するかが潜在的なリスク低減に役立つものと考えているからです。
現場での内部品質監査の様子
看護部では手順書の充実をはかり、新入職員の教育に活用しています。手順書は写真を多用し、視覚的に理解できるように工夫しています。特に複雑な業務(透析での二重濾過血漿交換療法など)では業務手順をDVDに映像(動画)で収録し、現場で見ながら業務を行い、また職員指導に活用しています。医療事故のハイリスク業務は特に手順書作成に力を入れています。
承認登録された手順書(DVD)
透析業務手順書
現在、報告書(不適合報告・事故報告・ヒヤリハット報告・外傷報告・予防報告・クレーム報告・内部監査報告・感染報告書などの全ての報告書を電子化(ペーパーレス)にしています。先述の課題である円滑な報告書の運営・管理を行うためには、現状の紙媒体は活発なISO運営する上での障害になりかねません。そこで、全職場に既存のパソコンをネットワーク上で結び「報告書管理システム」を導入しています。これで、報告書記載の短縮化、報告書の紛失防止、報告書提出期限の管理、リスクマネジメント委員会での集計と開催の自動化、事例のデータベース化など、多くのメリットが生まれます。ISO9001もISO1400もシステム運営は、地球環境のためにも紙ベースから電子化への転向が望ましいと考えています。現在この「報告書管理システム」を今年のQCサークルの活動テーマとしてリスク委員会をあげて取り組んでいます。
報告書管理システム(トップ画面)
報告書管理システム(回覧画面)
看護部では目標管理の一つに、患者様への満足度向上を常に取り組んでおり、その一つが行事イベントと院内装飾です。生活を楽しんでいただける空間、笑える瞬間を大切にしています。
節分の様子
クリスマスの季節
ISOは運用しだいで経営面に良好な結果をもたらす事が可能です。当院では目標管理の中で薬剤部を中心に「コストカンファレンス」という院内の経費を職員が主体となり見直し、費用対効果を重視する取り組みをしています。「在庫管理システム」と「処方箋発行システム(薬価算出表示可能)」と「オーダリングシステム」などを連動活用し、各部署長・主任と面談し無駄なコストを抽出し、廃止、代替商品への転換、再見積りなど活発に行っています。例えば、コストカンファレンスで安い同等の医療材料へ変更することにより、それが小さな差額であっても年間使用量が多い場合は1年間では高額な差益となり、経営面に反映させる事ができます。このように、ISOを利用してコスト意識を全職員に徹底することが大切です。
処方箋発行システム
コストカンファレンスの様子
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